【税金】仮想通貨取引が所得税の課税対象となる場合とその計算方法

【税金】仮想通貨取引が所得税の課税対象となる場合とその計算方法 仮想通貨

仮想通貨はとても値動きが激しいため、売買のタイミングによっては大きな金額の売却益が出ることがあります。
仮想通貨の取引で儲けが出た場合、金額によっては所得税の課税対象となる場合があります
しかし、納税義務が生じたことを知らないまま確定申告をせずにいると、ペナルティを受けてしまうこともあるため要注意です。
ここでは、仮想通貨の売買が課税対象になるのはどんな場合なのかを解説し、実際の計算方法も紹介します。
まとまった金額の取引をする人はぜひ参考にしてください。

仮想通貨の取引で税金が課税されるのはどんなとき?

1年間を通して得た収入について、確定申告が必要となる条件は、以下の3つがあります。

1.給与収入が2,000万円を超える場合
2.1ヶ所から給料を受け取っており、副業収入が20万円を超える場合
3.給与から源泉徴収されていない場合

仮想通貨売却益が20万円を超えたら課税対象

仮想通貨の売買で課税の対象となるのは、上記のうち2番目の項目です。
つまり、1年間の仮想通貨の売買で生じた利益が20万円を超えたときは確定申告の必要があります。
この場合は、仮想通貨の売却益とその他の収入のすべてを合算して、所得税の課税対象となります。

これは、保有している仮想通貨を20万円より大きな金額で売却した場合という意味ではありません。
購入時の価格と売却時の差額(利益)が20万円を超えた場合に課税の対象になります。

また、購入時と売却時の差額が20万円を下回る場合は課税の対象になりませんので申告は不要です。

仮想通過の売却益は「雑所得」に分類される

仮想通貨の売却益が20万円を超える場合は副業収入として申告しますが、分類としては雑所得の扱いとなります。
雑所得は累進課税になりますので、仮想通貨の売却益が大きいほど税率も高くなっていきます。
また、総合課税の対象となりますので、給与所得など、ほかの所得と合算して税率が決まります。
仮想通貨の売却益が増加することで、給料のみのときよりも税率が上がってしまう可能性もありますので注意しましょう。

仮想通貨の税金の計算方法

実際の所得税は以下の手順で計算します。

手順
1.仮想通貨の売却で得た利益を計算
2.給与など他の収入と合算
3.所得金額をもとに税率と控除額を確認して計算する

まずは仮想通貨の売却で得た利益の合計を計算し、確定申告の必要があるのかを判断します。
すでにお伝えしたように、判断基準はとてもシンプルで、売却益が20万円を超えたかどうかです。

確定申告が必要な条件を満たすなら、給与所得やその他の収入と、仮想通貨の売却益を合算して所得の合計金額を出します。
所得金額が決まれば税率と控除額が決まりますので、税率に従って計算するという流れです。

所得金額と税率、控除額の一覧

所得金額と税率、控除額は以下のようになっています。
所得の合計 税率 控除
195万円以下 5% なし
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330万円超695万円以下 20% 427,500円
695万円超900万円以下 23% 636,000円
900万円超1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

仮想通貨の売却益は総合課税のため、給料などすべての収入と合算して所得の合計を出し、それに対して上記の税率がかかるということが重要なポイントとなります。

実際の計算例

給与が300万円で、仮想通貨の売却益が100万円だった場合の所得税の計算をしてみましょう。
まず、仮想通貨の売却益が100万円であることから、「副業収入が20万円を超える場合」を満たしますので、確定申告の必要が生じます。

この例では、給与が300万円で仮想通貨の売却益が100万円のため、所得は400万円となります。

上記の表で税率を確認すると、所得が400万円の場合は税率20%で、控除額は9万7,500円です。
実際の計算式は以下のようになります。

400万円 × 0.20 – 427,500 = 372,500円

所得の合計が400万円の場合は、372,500円の所得税を納付することになります

納税を怠るとどうなる?

確定申告が必要な条件を満たしているのにそのことを知らずに納税を怠ると、以下のようなペナルティを受ける場合があります。

・無申告加算税
・延滞税

確定申告が必要であることを知らなかった場合でもペナルティの対象となりますので、仮想通貨の売却益がいくらになっているのか常に管理しておく必要があります。

無申告加算税とは?

無申告加算税とは、本来は確定申告が必要にもかかわらず、3月15日までに確定申告をしなかった場合に適用されます。
本来納税すべき所得税が15~20%上乗せされてしまいますので要注意です。

延滞税とは?

確定申告の期限は3月15日ですが、これは所得税を納付する期限にもなっており、確定申告をしていても納税が遅れた場合は延滞税が発生します。
延滞税は本来の納付期限の3月15日から延滞が解消するまでの間加算され続けますので、注意が必要です。

まとめ
仮想通貨の売買で年間20万円を超える利益が出た場合、雑所得として確定申告をする必要があります。
税金の計算方法は、仮想通貨の売買以外の所得をすべて足して、合計金額に応じてかかる税率に従って計算します。
仮想通貨に関する税金の取り扱いは、税の複雑な知識は必要ありませんし、確定申告の必要がある場合は税務署に相談することもできます。
まずは自分の場合は確定申告が必要になるのかどうかを確実に見分けられるようにしましょう。