ネムはどんなコイン?特徴やメリット・デメリットを紹介

ネムはどんなコイン?特徴やメリット・デメリットを紹介 コイン紹介

ネムは2017年ごろから日本でも知名度が大きく上がった仮想通貨です。
国内の仮想通貨取引所ザイフでも取り扱いがあり、時価総額は常に10位以内に入る人気のアルトコインです。
コインチェック事件で流出した通貨としても有名です。
ここではネムとはどんな仮想通貨なのか、その特徴やメリット・デメリットについて紹介します。

仮想通貨ネムの概要

ネム(NEM)は2015年に一般公開されたプラットフォームです。
通貨単位はゼム(XEM)で、発行総量は約90億XEMとなっており、その約90億すべてがすでに発行済です。

プラットフォーム全体を指すネムの名前の由来は、「New Economy Movement」の頭文字とったものです。
日本語にすると、経済の新しいムーブメントという意味になります。

NEMとXEMの違いは?

ネムについての情報を調べていると、NEM/XEMという表記になっていることがあります。
NEMはプラットフォーム全体の名称として使われ、XEMは通貨単位として使われる記号です。
SNSなどのやりとりでは「ネムを買った」「ネムが値上がりした」といった使い方がされています。
ただし、正式名称としてはネム内で発行される仮想通貨の名称はXEMとなります。

プルーフ・オブ・インポータンス

ネムの合意形成アルゴリズムはプルーフ・オブ・インポータンス(PoI)というシステムが採用されています。
ビットコインのマイニングに相当する作業は、ネムの場合はハーベスティング(収穫)と呼ばれます。

これは、ネムのプラットフォームの中で重要度が大きいユーザーに取引承認作業による報酬が配分されやすくなるという仕組みです。
重要度の決定要因としては、保有するXEMの残高が大きいことと、XEMを使って活発な取引をすることです。

ビットコインなどで採用されているプルーフ・オブ・ワークではより多くの計算量を持ったマイナーに報酬が渡るため、マイナー同士が競争をして多大な電力が消費されるという問題点がありました。

ネムのハーベスティングではハーベスティングを行うマシンの性能は関係なく、コミュニティ内の重要度で決まりますので、従来の仮想通貨の問題点がうまく改善されています

日本国内ではザイフで取り扱いあり

ネムは日本の大手取引所ザイフとの関係が深い仮想通貨です。
ザイフの運営会社テックビューロの社長が、ネム財団のメンバーになっており、ネムの開発と運営に関わっています。
テックビューロはネムの技術をもとにした「mijin(ミジン)」という独自のブロックチェーンサービスも開発しています。
このようにネムとテックビューロは関係がとても深く、ザイフ取引所でネムの取引が可能となっています。

ネムのメリット

ネムのメリットをもう少し詳しく見ていきましょう。

取引の処理速度の速さ

ネムはビットコインなど従来の仮想通貨と比べて取引の処理速度がとても速いというメリットがあります。
ネムのブロック生成速度は1分毎となっており、ビットコインの約10分の1のスピードです。
送金先に入金するまでに何時間も待たされたり、送金が遅延するリスクはあまりありません。
また、カタパルトという機能向上アップデートの実装により、ネムの取引の処理スピードは1秒間に数千件となります。

スマートコントラクト

ネムにはスマートコントラクトを含んだ次世代機能が含まれているという特徴もあります。
スマートコントラクトとは、イーサリアムにあるような、ブロックチェーン上に契約内容やプログラムを保存し、条件が満たされたときに自動的に実行する機能です。
ネムは単に仮想通貨を送金するだけでなく、インターネット上の各種サービスで広範囲に活用できるポテンシャルを持っています。
さらに、ネムのプラットフォーム上でユーザーが独自トークンを発行する機能もあります。
企業だけでなく個人でトークンを発行することもできますので、ネムのシステムが一般に普及すれば、様々な用途が期待できるようになります。

ネムのデメリット

ネムの注意点やデメリットについても確認しておきましょう。

扱っている取引所が少ない

ネムは仮想通貨としては大変優秀ですが、日本国内では取引できる取引所がまだ少ないというデメリットがあります。
日本国内でネムが上場した取引所はザイフとコインチェックの2つですが、コインチェックでネムの流出事件が起こってしまい、その後はザイフのみでしか取引できない状況になっています。

マネックスがコインチェックを買収したことで、コインチェックがサービスを再開する可能性が高いですが、流出させてしてしまったネムを従来どおり取り扱うかは不明です。

コインチェック事件のイメージが価格に影響する可能性

ネムは2018年のコインチェック事件によって、良くないイメージを持たれる場合があります。
ニュースでも明らかになっていますが、実際はネムのシステムに問題があったわけではなく、コインチェック社内のセキュリティが弱かったのが原因です。
しかし、一般の仮想通貨ユーザーの中には敬遠したくなる人が出てくるかもしれません。

まとめ
ネムは、スマートコントラクトや独自トークン発行など新しい機能を備えた仮想通貨です。
取引の処理速度も速く、仮想通貨としての機能が評価され時価総額も上位になっています。
残念ながらコインチェックから大量のネムが流出する事件がありましたが、ネムのシステムに欠陥があったわけではありません。
コインチェック事件後もネムの評価が下がったわけではありませんので、今後も将来性が期待できる仮想通貨です。