販売所と取引所の違い

仮想通貨を購入するには、仮想通貨取引所に登録をして取引をすることになります。

仮想通貨取引所には「取引所」と「販売所」という2つの取引形態があります。

取引所と販売所の違いがわからないままでいると、知らないうちに割高な価格で仮想通貨を買うということになってしまいかねません。

ここでは、仮想通貨の取引所と販売所の違いと、それぞれのメリットやデメリットを解説します。
それぞれの特徴が分かれば、状況に応じて上手に使い分けができるようになるでしょう。

取引所と販売所の違い

取引所と販売所の違いは、仮想通貨を売買する相手の違いです。

取引所は仮想通貨取引所に登録しているユーザー同士で、匿名の相手と取引することになります。
取引板に注文が並び、数量と価格の条件が双方とも合致した場合に取引が成立します。

販売所は、仮想通貨取引所の運営会社が保有している仮想通貨を直接買う方法です。
業者が決めるそのときの価格に納得できれば、数量だけ指定して取引をします。

販売所のメリット・デメリット

販売所での取引にはどんなメリットやデメリットがあるのかもう少し詳しく見ていきましょう。

販売所のメリット

仮想通貨の売買をするときに販売所を利用するメリットは以下のようなことがあります。

すぐに売買できる

販売所は業者と売買することから、すぐに取引が成立するというメリットがあります。
ユーザー同士で売買する板取引の場合、「仮想通貨をこの値段で買いたい」という注文を出しても、その値段で売りたいと考えているユーザーがいないと取引が成立しません。
納得いく条件で取引するには、取引相手が現れるのを待つ必要があります。
販売所取引の場合は、注文を出した瞬間にすぐに取引が成立します。

取引が簡単で分かりやすい

販売所の取引は業者と売買しますので、取引方法がとてもシンプルです。
取引のときに指定する項目は、買いか売りかの指定と、数量だけです。

たとえばビットコインを購入するときは、1BTCほしいのか、0.1BTCほしいのか、必要な量を入力するだけです。
そうすると、そのときのレートで購入価格が自動的に決まりますので、金額に納得できれば購入するというシンプルな流れです。

売るときも同様で、手持ちの仮想通貨のうち、どれだけの量を売るかを指定するだけです。
売却価格に納得できれば、数量を入力すればすぐに売却が実行されます。

販売所のデメリット

販売所のデメリットは次のような点です。

取引所と比べて割高

販売所形式のデメリットになるのが、取引価格です。
販売所では自分で取引価格を指定することができませんので、提示された現在の価格で納得できるかどうかだけです。
多少安くてもすぐに売りたいというユーザーがいる取引所形式と比べて、購入価格は割高になります。

扱われている通貨の種類が少ないことも

登録する取引所次第ではありますが、販売所形式で取引できる通貨の種類が少ないこともあります。
たとえば、大手取引所のザイフでは多数の仮想通貨やクーポンの売買ができますが、販売所形式で売買できるのはビットコインとモナコインだけです。
販売所形式はビットコインだけという業者もあります。
以前は多数の仮想通貨を取り扱っていたコインチェックが利用できない状況になったため、販売所形式のみしか利用しないならば、購入できる通貨が限られてしまいます。

取引所のメリット・デメリット

次に、取引所（ユーザー同士の板取引）のメリットとデメリットを見ていきましょう。

取引所のメリット

取引所のメリットは以下のようなところです。

安く買って高く売れる

取引所はユーザー同士で取引するため、販売所形式より安く買えることが多いです。
これは、買おうと思っている通貨を、売りたいと考えているユーザーもいるためです。

自分が希望する価格で取引できる

取引所は自分の希望する価格で取引する指値注文ができるのがメリットです。
希望価格を指定して取引するということは、希望価格よりも悪い条件では取引しないということです。
そのため、取引成立までの待ち時間を気にしないなら、安く買って高く売ることが可能となります。

取引所のデメリット

取引所のデメリットは以下の点です。

必ず希望条件で取引が成立するとは限らない

指値注文は取引価格を指定できるのがメリットですが、指定した価格で取引してくれる相手が現れるまでは取引が成立しません。

相場より大幅に安い買い注文を出したり、逆に高い売り注文を出すと、いつまでたっても取引相手が現れないということになってしまいます。

相場が大きく動いているときに取引が成立しにくくなる

取引所はユーザー同士の取引のため、相場が大きく動いているときは取引が成立しにくくなります。
暴騰しているときは多くの人がその通貨を欲しがっているときなので、売りたいという人が現れません。
逆に、暴落しているときは多少安くてもすぐに売りたいと考える人が多くなるため、買いたいという人が現れません。
暴騰、暴落時は取引が成立しにくくなり、損が大きくなってしまうリスクがあります。