仮想通貨はビットコインのみでなく、たくさんの種類があります。
世界中の仮想通貨をすべて含めると1,000種類を大幅に超えると言われますが、仮想通貨には通貨型、プラットフォーム型、アプリケーション型など複数の種類があります。
どの仮想通貨に投資するか考えるときは、そのコインのタイプを知ることで、大まかな特徴を把握したり比較したりしやすくなります。
ここでは、仮想通貨の種類について、通貨型、プラットフォーム型、アプリケーション型に分けてそれぞれの特徴や違いについて解説します。
通貨型の仮想通貨とは
通貨型の仮想通貨とは、その名の通りお金(法定通貨)の代わりとなるように開発されており、決済用として使われる仮想通貨のことです。
私たちは日常の買い物をしたりサービスを利用するときは、住んでいる国が発行する法定通貨(日本円やドルなど)を使います。
通貨型の仮想通貨は、この法定通貨の代わりになることを目指しています。
従来からある法定通貨との主な違いは、ブロックチェーンで分散管理された台帳を使うことで、管理者を必要としないという点です。
国家の裏付けが必要ありませんので、世界共通の通貨として利用できるという特徴があります。
通貨型の仮想通貨の代表例としては以下のようなコインがあります。
・ライトコイン
・ビットコインキャッシュ
・モナコイン
通貨型の仮想通貨の機能としては、基本的にユーザー同士で発行されたコインを送金するというシンプルな用途です。
ブロックチェーン上にプログラムやサービスを記述して動作させるということはありません。
通貨型の仮想通貨のブロックチェーンの中にはどのユーザーがどのユーザーに対してどれだけの量のコインを送金したか、その結果それぞれのユーザーのコインの残高はいくらになっているかといった基本的な状況のみです。
プラットフォーム型の仮想通貨は、そのプラットフォームを運営する企業や団体が存在することが多いですが、通貨型の仮想通貨は、特定の団体や企業が運営することはありません。
プラットフォーム型の仮想通貨とは
プラットフォーム型の仮想通貨とは、その仮想通貨全体が特定の用途を目的としたサービスとなっており、そのサービスの提供するためのプラットフォームになっているのが特徴です。
プラットフォーム型では、発行される仮想通貨はそのプラットフォーム内のサービスを利用するための利用料またはポイントのような形で消費されます。
たとえば、Googleも出資しており時価総額3位以内に入っている注目の仮想通貨リップルは、大手銀行同士の国際送金サービスのプラットフォームとなることを目的とした仮想通貨です。
リップルはビットコインのようにそれ自体が法定通貨の代わりとして使われるわけではありませんが、リップルの国際送金サービスを利用する際の手数料のような形で消費されます。
プラットフォーム型の仮想通貨としては、以下のようなものがあります。
・イーサリアム
・ネム
・リスク
・イオス
アプリケーション型の仮想通貨とは
アプリケーション型の仮想通貨とは、プラットフォーム型の仮想通貨のうち、ブロックチェーンの中にプログラムを記述して、そのプログラムが動作するプラットフォームになっている仮想通貨のことです。
ブロックチェーン上に記述されて動作するプログラムのことを分散型アプリケーション(DApps)と呼びます。
DAppsの「D」は、非中央集権的という意味のDecentralizedの頭文字を取っており、Appとはアプリケーションのことです。
DAppsの例としては、イーサリアムのようなアプリケーション型のプラットフォームで動作するゲームがあります。
プログラミングの知識があれば、アプリケーション型の仮想通貨で動作するプログラムを作ることも可能です。
アプリケーション型の仮想通貨には、スマートコントラクトという機能が含まれており、ブロックチェーン内にその仮想通貨が対応しているプログラム言語で書かれたアプリケーションが記述されます。
そのプログラムが、条件を満たしたときに、管理者の操作無しで自動的に実行されるという機能があります。
このDAppsのプログラムは、ブロックチェーンに直接書き込まれるため、その仮想通貨を利用しているすべてのユーザーのコンピューターの中に分散されて管理されます。
従来からある中央管理者のサーバーにアクセスして利用するタイプのアプリケーションとは違い、非中央集権的に分散されて管理され動作するというのが特徴です。
そのため、アプリケーションに対して外部から不正が行われる心配がなく、サービスを運営する側からすると、ハッキング対策などセキュリティ面でのコストをかけることがなくサービスを運営できるというメリットがあります。
アプリケーション型の仮想通貨の例としては以下のようなものがあります。
・ネム
・リスク
・イオス
2009年にビットコインが登場してから長い年月が経過していますので、ブロックチェーンを活用した仮想通貨は色々なタイプのものが登場しています。
通貨型、プラットフォーム型、アプリケーション型のどのタイプなのかによって使われ方も大きく違ってきます。
仮想通貨の将来性を考えるときには、どのタイプに属するコインなのかということも気をつけながら情報収集するようにしましょう。